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今後“売れる(生き残る)ため”にしなければならないこと

良いモノを安く買いたいというのが購買者の心理。しかし「良いモノ」という定義が時代によって変化してきた。粗悪品しかない時代にはより品質の良いモノやより機能の優れたものが「良いモノ」として求められた。そしてある程度品質や機能が満足できるようになると、品質や機能が自分の不満を解消できるかどうかに関心が移り(※1)、自分の心の中にある不満(=ニーズ)を満たすことができるものが「良いモノ」として求められてきた。

※1:人には、人それぞれの理想像がありそれを実現したいと考えている。品質や機能が優れたものになり、安心・安全が確保できれば、次に理想と現実のギャップ(=不満)を解消したいと思うようになるということ。

さて今は品質や機能がすぐれたモノに溢れ、日々の生活にそれほど不満がない時代である。

大きな不満があればそれを解消しようとして積極的に「良いモノ」を探そうとするが、今あるモノである程度満足しているためあまり積極的には動く必要がなく、その分モノを買うということをしなくなった。これがモノが売れなくなった理由である。

一方“失われた20年”と言われる時代に入ってから、「モノづくり・ジャパン」という標語が生まれ多くの企業で当たり前のように受け入れられてきた。多くの中小企業が系列化の中で大手企業の協力会社として部品を製造してきた中では、「良いモノ」とはQ C Dに優れたモノであるので、その意味ではこの標語は適切なモノだったと思うし、C(コスト)では海外企業に負けてしまうのならばQ(クオリティ)とD(デリバリー)で勝負を挑もうとする今の企業努力は今後もさらに重要になってくるだろう。したがって今後しなければならないことは、I T化などによる体制の改革ともに企業内ノウハウの継承とレベルアップのための人材育成とということになる。海外企業との価格競争に勝つためにこれまで効率化が重要視されてきたが、この後は“人材育成”というキーワードがますます重要性を帯びてくる。

さて、中小企業が生き残るための戦略として“QとDに優れた他者にはできないモノづくりの体制強化”の他に“自社オリジナル製品の開発”というのがある。取引会社の求める「部品」を設計製造納入するのではなく、当社が完成した「製品」を企画製造販売するというモノ。この10年販路開拓が重要視されきた中でこの戦略を取ろうと努力される企業も増えてきた。

この“自社オリジナル製品の開発”という戦略をとる場合、1番にしなければならないことは

「モノづくり・ジャパン」という標語を忘れることである。なぜなら「良いモノ」の定義が全く違い、直接求められるのはQ C Dに優れたモノ(品質や機能に優れたモノ)でないからである。

人は良いモノ(=自分にとって価値のあるモノ)を選ぶ。価値があるモノとは「その人にとって重要なモノ・特別なモノ」のことである。戦後の高度成長期には品質や機能が優れたモノに価値があるモノとされ、この30〜40年は自分の中にある理想と現実のギャップ(=不満)の解消に役立つモノ・ニーズを満たすものが価値あるものとして重要視されてきた。

ただし、“モノあまり”と言われる現在ではこれまでのモノはすでに満たされ価値があるものとは見なされていない。

人間の、まず、不満(理想とのギャップ)があればそれを解消できるものを欲しいと思う。そして不満が解消され「満足」できれば、自分の中にある理想像をより追求できるものが欲しいと思い、達成できれば「喜び」を感じるようにできてる。

まだそこに不満がある(※2)のなら、それを解消できるモノに価値があるが、今後は、より理想の追求にとって重要な役割・特別な役割をするものが価値あるものとなる。ただ、価値のあるものと言っても、どんなものが自分にとって価値があるのかはわかっていない。現物を見て初めてそれが価値のあるものかどうかを判断できる。

例えば、乗っていた船が沈没し、島に漂着した時は真っ裸だっとしよう。まずするのは身につけられるモノである。葉っぱでも獣の皮であれ身につけられるモノというイメージのもとに探し求める。次にとにかく身につけるものを手に入れらたのなら、防寒性の優れたモノ、着心地の良いモノと言ったより品質や機能性に優れたモノを探し始める。この時もどんなものが良いのかイメージがある。さて救助され社会の中に戻ってきたとする。服の役割は暖を取ると言った機能性以外にも社会の中での関係性を表す役割もある。どんな服装がT P Oに合うのか、高いステータスを表すのか、これらも社会の中にルールがありイメージができる。しかし、これらのことが満たされ、いざ自分の理想を追求し、自分に似合った服を探そうとするとなかなかイメージできない。その服が自分に似合っているかどうかは、服屋で試着してみて初めて判るモノである。

※2:例えば、高齢者向けの健康食品や化粧品、ダイエット商品である。これらは年齢による健康や肌の衰えや体重の不満を解消するものである。

“自社オリジナル製品の開発”という戦略をとる場合、一番大事なのは提案力である。今の世の中は似たような商品があふれ、多くの場合見ただけではどこに違いがあるのか分からないことが多い。また、それなりに今あるモノで満足しているので積極的に商品の特徴・良さを探してはくれない。どんなに品質や機能に優れた商品だったとしても、こちらから何も情報を発信しなければ、当社の商品に気づいてくれないし、その良さも認識してくれない。どれだけ、貴方の理想を実現するのかをこれでもかというくらい提案しなければ、当社の商品の良さに気づいてくれない。これは工具や日常品を取り扱っている通販番組を見ればよく判るだろう。今の世の中、品質や機能が優れているのは当たり前である(そうでないものには容赦のないクレームが起こる)。売れるために必要なのは、マーケティングに基づく提案力である(これは誘惑する力と言い換えても過言でない)。

これまでの日本は「モノづくり・ジャパン」という標語の基、効率かと高い生産技術力で頑張ってきた。今後もそのことは続くが、それだけではなく、人材の育成や提案力と言ったこれまでの中小企業が苦手とする分野が勝敗を決めるより大きな役割を持つようになってくる。

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